身体の見方。ロルフィング®のセッションの時にクライアントの身体の何を見て、何をしているか。

 

「何見ているんですか?」とセッションを行っていて聞かれることがとても多いです。

「触っているだけなのに変わるんですね」って。

 

Kukuna Bodyにきてくださるかたは、長年色々試したけれど、なんらかの不調に悩まされていたり、悪いというわけではないんだけれど何かすっきりしない(転機が欲しい)という方が多いです。

自分の身体のことをよく知りたい、ということで来てくださいます。

考える前に感じること

そういう方のほとんどはとても真面目な方たち

 

「こうしなきゃ」ということに(無意識的に)とらわれていることが多いです。

 

だからとても真面目に言われたことを守ろうとしたり、「何々をしてはいけない」という思考にとらわれていたりします。

 

そう「思考に」。

 

自分の身体を「感じる」よりも先に「考えて」しまう。

 

ただ、これもしょうがないんです。

 

長いこと痛みや不調があって、それを感じているのがつらいから自分自身のセンサーを鈍くさせておくことは身体にとっての防衛本能です。

 

でも、本当にもう一度良い状態に戻っていくためには、自分の自己治癒能力を高めていくためには、再び自分の身体を感じられるようになっておく必要があります。

 

逆にいうと、そういう方たちは「こういうことをしていたらこうなるはずだよね」という暗に結果を予測、そして期待しています。

 

だからちょっと何かをしたら「いや、でも結局かわらないじゃないか」となってしまいがち。

 

人が身体に関わる以上、「何もかわらない」ということはあり得ません。

 

「自分の期待に沿った、わかりやすい形でその瞬間にわかるようなことがなかっただけ」なんです。

 

それをどう受け取れる自分がいるか、に多くは関わってきます。

 

過去記事:「ロルフィング®ってどうなの?という質問に対しては「何を受け取るかはひとそれぞれです」としか言えません」

 

ロルフィング®のセッションでみていること

色々見ています。

もともとはATCですから、怪我をしている部分があったり、現在進行形で痛みを抱えていたらその部位はチェックします。

 

でも同時に、そこにとらわれないようにもしています。

 

身体全体のなかで、もっとスムーズに動ける場所はどこだろう

広くスペースがある場所はどこだろう

 

視線や、動き出しはどのような感じだろう

 

表情はどうだろう

 

部屋に入ってきた時の雰囲気はどうだろう

 

何気なく話しているその言葉の内容はどのようなことだろう

 

話している時の距離感、そしてそれをお互いにどう感じているだろう

 

その人の身体の周りの空間で使えていない所・存在していない所はどこだろう

 

その人がいま「とらわれていること」は何だろう 

 

そのようなことを解剖学的な観点と同時に見ていきます。

すごくざくっと言ってしまえば「神経」の状態を見ています。

 

 

身体に触れている時は、特定の組織をどうこう、というよりは全体のバランスをみていきます。

 

例えば足を触って、その繋がりはどこまで伝わるのか、それはどこで途切れてしまうのか。

 

身体は筋膜という存在で繋がっていますから、足をさわって首の状態とか内臓の調子とかわかることはたくさんあります。

これは何も特別なことではなくて、ロルフィング®やS.Iをしている人ならわかることです。

 

最近は神経の高ぶりがどうにもならなくなっている人が多いなぁ、と感じています。

でも本人は気づいていません。

 

セッションが終わると「力が入っていたんですね、、、」と気づかれます。

 

神経が興奮状態だと、体にも力がはいります。

気持ちも落ち着きません。

痛みにも過敏になります。

 

そのときに、「もっとこういうことをしないと」となったり、強い刺激がはいると反発して逆効果になることが多いです。

 

変化がもたらされる理由は、後からいくらでも後付けができると思います。

そしてその説明は100万あるなかの1つの可能性でしかないです。

 

目の前に出た結果は「AをしたからBになった」というよりは、「Aをしたら(いろいろな場所をぐるぐる通って)Bという結果が見えた」というだけの話だと思っています。

 

直線的に、短絡的に結果はもたらされるものではなく、その他の可能性も考慮するからまたひとつの可能性が開くのかな、と思っています。

 

痛みや不調を取ることが目的ではなくて、その先その痛みや不調が起こらない身体を探求していく、ひいては「その人がその人らしい人生を歩んでいけることをサポートする」のがロルフィングだと思っています。

 

 

解剖学的理解はとても大切な判断材料になります。

とてもとても大事です。

 

そしてそれを知れば知るほど、一旦その知識は傍に置いておくということがとても大切に思っています。

 

 

あなたの身体はこうだからこうですよ、というのが僕の仕事ではなく

 

こうやってみたらどんな感じがしますかね?

あ、悪くない感じ?じゃそれを試してみたらどうなりますかね?

 

 

というようにきっかけを与えていくこと

 

ここでの時間は、自分の身体に気づく力を取り戻していくお手伝いにすぎないと考えているから。

 

過去記事:「自分の体と心のペースを知ること、自分の身体を取り戻すこと」

 

ではまた

べぇ

 

それではまた

森部高史

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社 Pono Life(ポノライフ)代表取締役 / Kukuna Body主宰。 「人生の節目に出逢うセラピスト」として多くの方の人生の転機に立ち会う。中高一貫校の英語科教員、部活動顧問を経て、アメリカの大学院に進学しアスレティックトレーナー(ATC)に。アメリカの様々な地域の大学でフルタイムスタッフとして勤務し、2012年帰国。【からだはこころのいれものだから】という考えを大切に、身体と心のバランスを大切にするボディーワーク、ロルフィングを中心に日々クライアントが自分軸で生き、自分自身の人生に彩りを添えていく為のお手伝いをしている。オフィスは麻布十番。2015年より一女の父。