クライアントとの適切な距離感は保ち、自分を守ってくれる3つの壁

 

「べぇさんは身体や心を楽にする仕事しているのに、相手に依存させない距離感を保つのが上手だよね」

 

そう言われることが多いです。

 

多分それは、日本での教員としての生活と、アメリカでアスレティックトレーナーとして多くの男女両方のチーム、そして様々なレベルのチームに関わってきたところから培われたものだと思います。

 

とはいえ、僕も初めからそんなに上手にできていたわけではありませんし、難しいな、と感じる時はやはり今でもあります。

 

その境界線が曖昧になることで、とても難しい関係になってしまう、ということはよく聞く話です。

 

クライアントとの適切な距離感というものは何によって保たれるのでしょうか。

 

クライアントとの適切な距離感を保つ3つのキーワード

 

それには3つのキーワードがあると思っています。それは「お金」「時間」そして「敬意」

 

1つめ:お金(施術・セッション料金)

 

ぼく達は、施術・セッション料金を頂くことで、仕事にしています。

その料金は、プロとしての特定の技術や知識を提供することに対する対価であり、責任です。

 

人によって、その料金を高い・安いと感じることはあるでしょう。

しかしながら、相手の懐具合は施術者側が気にすることではありません

 

人によって経済状況は千差万別ですし、同じ人でも状況によってお金の価値はかわります。

 

状況によって変わるお金の価値

 

日常生活でお水に1000円だすことは高いと感じていたとしても、非常事態で他に水を手にいれることができないという時にその1000円を気にすることははないですよね。

 

ぼく自身も、ロルファー™になる前にロルフィング®10シリーズを受けたいなぁと思っていても、時間もお金もなくなかなか受けにいけませんでした。

 

でもそれから数年経ち結果的に受けに行こうと決めて、10シリーズを受けた時は以前に忙しいと思っていた時よりもずっと忙しく、同時に最もお金がない時期でした。

 

それでもどうにか出来てしまう時を人はタイミング、というのだと思います。

 

しかしながら、そのタイミングをサービスを提供する側が気にしていたらキリがありません。

「お金がない」と言いながらセッション料金を値切った割にはセールで無駄遣いした、海外旅行に行った、タバコをやめない、お酒を毎晩飲み歩いている、そんな話は山のように聞きます。

 

値段で価値が決まるのでしょうか

 

高いから良い物、安いから悪いものというわけではありませんが、高いから安くしろ、とかもう少し安くしてくれたら受けに行くのに、という方も存在します。

 

でも考えてみて欲しいのです。

レストランがお客さんのその時の懐具合によって、提供する料理の値段を変えるでしょうか?

 

それを全員にやっていたらどうなると思いますか?

 

それをしているお店を信用して通うことにするしょうか。

提供する側が負担をかぶることで、そのサービスを享受しているとしたらそのサービスは長い目でみて存続することができるでしょうか。

 

お金を持っていなければお客さんではないのか!という声に対して

 

これに対して、強い姿勢で臨む人は「お金を払わない人は客ではない」という人もいます。

ある意味当然かな、とも思います。

 

「お金はないけど飯を食わせろ!」

「お金は払わないけどこの商品が欲しいからよこせ!」

 

もはやこれはお客とはいえません。

物を対象にしていると、その点は非常に明確にしやすいのですが、身体に関することや無形のサービスを提供する場合、なぜかそういったものがまかり通ってしまいます。

 

お金が全てではない、というのは身体に関わる仕事をしている人共通の想い

 

今までのこのブログにも書いてきていますが、お金が全て、と思っている人は特に身体や健康に関わっている人たちにはいないと思います。

どうにか力になりたい、とは思っている。

 

でも本当の意味で、長くその価値を社会に提供し続けるために設定されているものがその価格です。

もちろん、提供する側もその価値を提供できるだけの研鑽は日々積み重ねていかなければなりませんし、誇大な表現や自分を大きくみせるようなことは慎む必要があるでしょう。

 

どんなサービスも存続させることができなければ、その価値を正しく伝えていくことはできません。

そのことを提供する側も、受け取る側もきちんと認識していくこと、その重要性を伝えていくことが適切な距離感を保っていくために必要なことなのではないかと思っています。

 

その2:「時間」

 

クライアントとの適切な距離感を保ち、自分を守ってくれる壁の2つ目は「時間」です。

 

時間を守ることができているか、時間を尊重することができているか

 

時間を守ることができない人とは、良い関係性を築き、セッションを続けていくことは難しくなります。

 

1日の時間は限られていますから時間を守る、ということは相手の生活を尊重する、ということにもなります。

時間を守らない、ということは相手のことを考えていないということにも。

 

特に身体や心のことで依存体質な方は、こういったバウンダリー(境界線)をジワリジワリと踏み込んできてきます。

 

ロルフィング®トレーニング中にバウンダリーをおろそかにした故に起こった話

 

ロルフィングのトレーニングをアメリカで受けている時、ロルフィングの練習をしている時に、多くのクラスメートが過去のトラウマを思い出し取り乱す、ということがありました。

 

ロルフィングはトラウマを解放するための療法ではありません。しかしながら身体(筋膜)はその頃の記憶を溜め込んでいると考えられいて、身体が解放されることで、その想いが湧き出てくることもあります。しかしこれは適切なペースと環境が保たれていれば、涙がでることはあっても、取り乱すということはありません。

 

まだまだ習っている段階で未熟であったということもあるでしょうし、クラスルームで10組くらいが同時にセッションを行っているような環境で、プライバシーが保たれるとはいえず、適切で安全な環境ではないということもあったと思いますが、そのよくない条件をさらに悪くしてしまったのが、「時間を守らない」ということでした。

 

アメリカでのクラスです、多くの国から様々なバックグラウンドを持った、異なる年齢の人がやってきます。

 

時間に対する捉え方も様々です。

遅刻をする、休憩時間から戻ってこない、セッション時間を大幅にオーバーするクラスメートがたくさんいました。

 

そういったことが行われていては、秩序が保たれず、とてもではないけれど身体を任せる安全な環境が作れているとはいいがたくなります。

 

ぼく達は意識していなくても、「ここは安全かどうか」を常に探知しています。

 

それを感じられない状況で、技術も未熟な相手に、衣服も最小限の状態で身体にたいしてアプローチをされるということはどれだけ緊張状態を作っているか、そしてその状態で肉体的な部分は緩められてしまうということがどれだけの負担になるか想像いただけるでしょうか。

 

最初は「別にわざわざいうことでもないか」という程度のことからはじまっていきますから、最初からきちんと明確な線を引いておく、ということは自分自身が引きずられないためにも大切なことになります。

 

さて、時間を守る、ということにも3種類あります。

 

まず1つめ。

 

予約の時間に早く来すぎないか

 

「早く来る分には問題ないんじゃないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。

待合室などがあり、その場で待たせられる環境であれば特になんの問題もないと思います。

 

ただ、最近はマンションの1室でおこなっていたり、オープンスペースになっていて、待つ場所がないところというのもあります。

その状態を知らなくて、というのであれば次回以降お願いしますね、ですむことですが時に何度言っても早く来すぎる、という方もいらっしゃいますよね。

 

これ、全部自分都合なんです。

相手のペースとか都合を考えていない。

 

早く着きすぎてしまったのであれば、近くのお店なりで時間を調整して5分前とかに来れば良いことなのですが、そういったことを行わない。

他のクライアントさんもいらっしゃる可能性があるのですから、「自分だけ」にならないことを知らせる上でも「早すぎない」ということも大切なことですね。

 

遅刻をしない

 

予期せぬ交通機関の遅れというようなしょうがないこともありますが、その際にも可能なときには連絡をいれる、ということもとても大切なことです。

 

1度くらいでその関係性が壊れるわけではありませんが、お互いの距離感をしっかりと保てる人はこういったことを当たり前に行っています。

 

遅刻癖がある人というのは、罪悪感を好んでいる傾向の人が多いです。

 

罪悪感を好む?

 

ちょっとおかしな表現に聞こえるかもしれませんが、ぼく達にとって「罪悪感」というのは常に背中合わせでそばにいる感情です。

 

不思議なもので、潜在意識の中で「自分はダメな人間だ」という思いがあると、その思いを肯定させるように、誰かを怒らせたり、がっかりさせたり、自分が「ごめんなさい」と謝る状況をつくるような行動を無意識の中で選択する一面もあります。

 

「遅れないように自分は時計の針を10分早めてます!でも遅れちゃうんです!」という人もいるでしょう。

 

でもこれも「ここまでやっているのに私は結局何も変えられないんだ、やっぱりダメなんだ」を感じる前フリ。

 

ぼく達が意識することのできる領域、顕在意識は5%ほどといわれていて、残りの95%は潜在意識。なのでその表に出てきている5%も結局は9割以上をしめる潜在意識の影響でしかない氷山の一角と言われています。

 

自分はダメだ、と潜在意識で思い込みたい人は自立できるでしょうか?

 

先ほども書きましたが、知らず知らずのうちにバウンダリーを少しずつ自分に有利にもっていく行動を自立できない人たちはとっていきます。

 

これから先も全てその人のことは面倒を見る、というのであればこういった小さなことを気にする必要もなくお付き合いをしていけば良いと思いますが、ぼく自身はどのようなセラピーやトレーニングと言われるものは「自分の足で歩いていくためのお手伝い」と考えているので、大切にしています。

 

セッションの時間枠を尊重する

 

セッションや施術の時間には大抵設定されている時間枠があると思います。

30分というものや60分から90分など。

 

セッションが終わった後に、しばし雑談をすることも楽しみの一つで、とても好きな時間です。

でも時にいませんか

 

「この人帰ろうとしないなーーーーーーーーーーー」

 

と感じさせる人。

 

次のクライアントさんが来てくれていれば良いのですが、そういう時に限ってちょっと時間があって、なかなか話の腰を折ることができなかったり。。。

 

この時点でもうすでに、バウンダリーは超えられ、適切な距離感は保たれなくなっています。

 

また、これは提供する側も同じで、本当は60分の枠なのに、まだ気になることがあるから良かれと思って15分くらい延長してセッションを行う、なんていうことも同じことです。

 

セミナーなどではよくある傾向ですね、伝えたいことが多すぎて時に60分くらい時間が延びてしまうなんていう話も聞きます。でもそれでは、良い環境を作っているとは言い難いと思います。

 

見えない時間の価値大切にする

 

時間は目に見えるものではありません。そして自分の1時間と相手の1時間が全く同じものでもありません。

 

そういった領域のことも、どれだけ意識して行動しているか、ということも適切な距離感を保つ大切な要素になります。

 

特に駆け出しの頃は時間にも追われていないから、融通を効かせることもあるかもしれません。でもそれをしていると、これから先もその融通を利かせてくれることを嗅ぎ分けてくる人が多く集まってくることになります。

 

3つ目:「敬意」

 

作業時間の裏にあるものをどれだけ感じ取ってもらえるか

 

以前、アメリカに住んでいた時に同僚が鍵を車の中に残したまま扉をしめ、インロックして途方にくれていたことがありました。

結局、鍵を開けてくれるサービスにお願いをして、待つこと30分ほどで業者の方が来てものの数分で鍵をあけ、150ドルほどの請求。

 

「こんな短い作業で、これだけ稼ぐんだからいいよね」

 

なんて言っていたのを思い出します。

かくいう自分も、何度かインロックをしてしまい、業者のお世話になったことがありますが、確かに同じように感じました。

 

でも少し立ち止まって考えてみる必要があります。

 

僕自身は、インロックをした時に途方にくれました。これやった経験のある方ならわかると思うのですが、自分が情けなくなるし、後の予定のことも気になるし、、、

 

業者を待っている間もヤキモキしていて、ようやく到着してくれた時にはすごくホッとして、、、なのにあっという間に鍵を開けてもらったにもかかわらず請求書をみて

 

「これだけの作業時間でこんなにとるの!?」というのはとても身勝手だとはおもいませんか?

 

その料金を払うのがいやなら、自分で他のやり方を考えれば良いわけですし、それができないから頼んだにもかかわらず不服に思うこと自体が間違っていますよね、値段も最初にわかっているのですから。

 

作業時間で価値をはかるべきではない

 

ぼく達はその「作業時間」で価値をはかってしまいがちです。

あっという間にできてしまうことは、簡単そうに見えるから大した価値がないだろう。

 

時間をかけてやってくれている方が一生懸命な感じがするから、値段もするだろう。

これ自体が大きな間違いです。

 

自分ができないようなことを簡単にやってのけるのは、その裏側にたくさんの時間とお金をかけて積み重ねてきたものがあるから簡単に見えるだけ、です。

 

ぼく自身も同じようなことを言われたことがあります。

 

「ロルフィング®っていい商売ですよね、たいして何かをしているわけでもないのにそれでこの値段取るんですから」と。

 

たいして何かをしているわけではなくて、たいして何かをしているように見せていないだけ、なんですけどね。

 

そして、そのことを汲み取れない方は正直な所、自分の所には来てもらわなくて良いです。

 

結局その方は、他にも色々と問題があったので丁重にお断りして二度と来ないようお帰りいただきました。

 

前述の「お金」と「時間」も同じこと

 

最終的に「お金」も「時間」も敬意があるかどうか、というところがポイントになってきます。

 

敬意といっても、自分を敬え!といううということではなく、その技術や知識を得るために行ってきた時間の積み重ねに対して敬意を払ってもらえるかどうか、ということです。

 

面白いな、と思うのは、中途半端な知り合いほど値切ってきたり、時間外でのセッションを要望してきたりします。

 

しっかりとした付き合いのある友人であればあるほど、金銭的なことも時間的なこともしっかりとしてくれます。

 

それは、これまでの付き合いからどのような時間を積み重ねて、今に至っているかということをしってくれているからに他ならないからだと思います。

 

そういったことを自然に行ってくれる人とは、適切な距離感を保ち、友人関係も存続していけるものだと思います。

 

施術側として覚えておくべきこと

 

ただし、施術やセッションを行う側としては、「自分が積み重ねてきた時間や経験に敬意を払え!」と思いながら接していてはだめですよ。

 

それは強要するものではないですし、何気ない言葉の端々や、何気ないアプローチや行動、しぐさから感じてもらえるようにならなければならないものだと思います。

 

また、身体や心にアプローチしていく際には「ここがダメなんだよ」「こうするべきなんですよ」というのも相手側の今までの状況に敬意を払えていないことにもなります。

 

ぼく達が行えることは、是正することではなく、あくまでも変わっていくためのきっかけ作り。

 

それを忘れていなければ適切な距離感を育んでいくということはさほど難しいことではないのではないか、と思います。

 

お互いに、その人の生活や積み重ねてきた時間に敬意を払えるといいですよね。

 

まとめ

 

あなたは何のために、その施術・セッションを提供していますか?

 

ぼくはその方々の自立をお手伝いするために、ロルフィング®やボディートークというものを提供しています。

 

そのためには、しっかりとした境界線と適切な環境を整えるということは必要最低条件になってきます。

 

「お金」「時間」「敬意」少し気にしてみてくださいね。

 

この記事は当初2/5-2/7の3日にわけて掲載していたエントリーですが、統合し一つにしました。

 

ではまた

べぇ

それではまた

森部高史

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アメリカにおいてプロスポーツやハイレベルなスポーツ選手と関わり、日本でも芸能界に携わる方々も含み、10000を超えるセッションを行ってきた中でわかった【身体と心の繋がり】、そして【自分軸で生きて行く】ということ。

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ABOUTこの記事をかいた人

森部高史

株式会社 Pono Life(ポノライフ)代表取締役 / Kukuna Body主宰。 「人生の節目に出逢うセラピスト」として多くの方の人生の転機に立ち会う。中高一貫校の英語科教員、部活動顧問を経て、アメリカの大学院に進学しアスレティックトレーナー(ATC)に。アメリカの様々な地域の大学でフルタイムスタッフとして勤務し、2012年帰国。【からだはこころのいれものだから】という考えを大切に、身体と心のバランスを大切にするボディーワーク、ロルフィングを中心に日々クライアントが自分軸で生き、自分自身の人生に彩りを添えていく為のお手伝いをしている。オフィスは麻布十番。2015年より一女の父。