体を大切に扱うから自分の気持ちもよくわかる。

昨日のエントリーでは、Kukuna Bodyに来てくださる皆様が口を揃えて「人生が変わった」と仰ってくださる。それはなぜかを考えていくために、僕が行っているロルフィング®という施術について、そもそもそれは何なのか、を再考するきっかけになったこと、そして代表的に説明されている筋膜や重力との兼ね合いのことを書きました。

しかし、それだけでは説明しきれないことがあります。筋膜にアプローチをしているロルフィングをKukuna Bodyで受けた人が、なぜ「人生が変わった」という言葉を残すのか。ようやくその理由で、自分の中にしっくりくるものがありました。まだ昨日のエントリーをお読みでない方は先にこちらからどうぞ。

ロルフィングは身体を通じた、「いま、ここ」を実践するマインドフルネス

いま、この瞬間にフォーカスすること。その重要性が、再認識されています。マインドフルネスという言葉で説明されることも増えてきました。それについてはこちらをどうぞ。

忙しい現代社会です。そして、多くの情報が飛び交っています。その中で僕たちは、いつの間にか「あれをしないといけない」、「これをしないといけない」

そんな考えに知らず知らずのうちに、染められて行ってしまっています。そして、その「〜〜しないといけない」ができなかった時には「こうするべきだったのに。。。」、「こうしたらよかった。。。」そんな風に考えてしまいがちです。

過去を悔やみ、未来を憂う、「今」はどこに存在するのか。

一生懸命に取り組んでいることや、大切なことであればあるほど「このようにしたい」そういった気持ちは大きくなるものだと思います。

真剣なことだからこそ、それが達成できなかった時に「こうしたらよかった」そうなるのかもしれません。

でも、過去は取り返せないし、未来はまだ何も起こっていない。過去も、未来も僕たちが勝手に頭の中で作り上げているだけのものであって、実際にどうにかできるのは

「いま、この瞬間」

その連続が過去であり、未来であるということ。この刹那にしか、具体的な行動はとれません。だからこそ、「いま」に集中し、「いま」を大切にするということは、自分の人生をより誇らしく、素晴らしいものにしてくれるのだと。

ロルフィングが身体を通じたマインドフルネスであるということはどういうことか

僕が行っているロルフィングのセッションでは、今の状態が「良い・悪い」ということは全く気にしていません。大切なことは「今どう感じているか」。

セッションを行っているなかで、感じていること。今はさっきと何が違うのか。いま、この場所を触られることで何が起こっている感じがするのか。今までと違う動かし方をして、自分の身体を感じた時にはどのような感覚が生まれるのか。それは動かしやすいのか、楽なのか、難しいのか、あまり良い感じがしないのか。

そういったことを繰り返し聞いていきます。そして身体の反応をみていきます。

「わからない」の中に含まれるもの

セッションの間はたくさん質問をしていきます。「いま、どんな感じがしますか?」それを難しく考える必要はありません。時に「感じられないかもしれないから、答えられるかどうかわからない」という方がいます。ほら、もう未来の事を考えてしまっていますよね。大切なのは、詩的な表現をすることではありません。

「わからない」、そう言えることも立派な表現なのです。そしてその「わからない」という中にも色々な想いが交錯しています。

  • 今まで感じたことがないから、わからないのか
  • 本当は何か感じているけれど、それを信じきれないからわからないと言っているのか
  • 「正解」を出さなければいけないと思っているから、わからないと言って防御線を張っているのか、、、

ここで大切なことは、自分の状態に「気づく」こと。

「いま、自分が感じていること」に間違いというものは存在ない

自分自身が感じていることに間違いということは存在しません。なぜなら、それを感じられるのは自分自身だけだから。自分が感じていることを大切に扱ってあげること。それは自分の感情を大切に扱ってあげることであり、自分の心を大切に扱ってあげること。

Kukuna Bodyで行っているロルフィングセッションは、「いま、どう感じているか」を身体にアプローチしながら、繰り返し問いづつけています。だからこそ、自分に心地よい場所を少しずつ、探していく。

最初は意識的に行っていくことになるでしょうが、最終的に無意識でも探し始めるようになる。「自分にとって心地よい感覚」。それを求めていくようになるのだと思います。そうすると、少し自分に優しくなれる。

だから人生が変わっていく。

身体は思っているよりもずっと賢い。身体の感覚を大切にする、ということ

日本語には「腑におちる・おちない」、「肌にあう・あわない」。といったように、自分自身の感覚とその場の雰囲気や状況が合致するかどうかを表す言葉に、体を表す語句が使われています。

昔の人たちは経験的にそのことを知っていて、それに従っていれば間違いが起こらない、ということをしっていたのでしょう。ところが現代人は、情報をもとに「正しい・正しくない」を判断してしまいがちで、この「内臓感覚」や「肌感覚」をおざなりにしてしまっていることが多いとおもいます。

体の感覚は非常に繊細な空気を読み取り、NOという信号を送っているにもかかわらず「いや、きっと大丈夫。なぜなら◯◯なのだから」そう自分に言い聞かせることで、実行してしまう。

大抵そうするとうまくいかないですよね。

「身体の感覚を大切に扱ってあげる」、ということ。それは「自分を信じてあげる」、ということ。それが「自信」というものなのだと思います。

五感の中で最も最初に発達するもの、触覚

触覚は人間の五感の中で、最初に発達する、といわれています。胎内で羊水に触れている、というところからスタートするようです。また、生命の成り立ちとして、受精卵が細胞分裂を繰り返し成長していきます。その時に、「胚葉:内胚葉・外胚葉・中胚葉」といわれるものができます。

肌(表皮)を形成する胚葉は、脳を形成していくものとルーツは同じ外胚葉。 表皮だけでなく、「感覚器」といわれる「目・耳・口・鼻・舌」も同じ。

つまり五感ですよね。

その五感を大切に扱うことは、ルーツが同じである脳を大切に扱うことにもつながります。五感をどれだけ日常生活で大切に扱っていますか?視覚ばかりに頼っていないでしょうか?

ロルフィングのセッションでは、その特性上、身体に触れます。その触れられた感覚が「快」なのか「不快」なのか。もしくは触れらている感覚があるのか、ないのか。鋭敏なのか、鈍いのか。それをどう感じているのか、を観察し積み上げていきます。

Awareness(気づく力)を育むこと

そういったことを自覚していくこと。それは自分の「今の状態」を認識していくことにつながります。気づくことができるから、僕たちは具体的な行動につなげていくことができる。他の人と比べて気付けるかどうか、ではないです。

今の自分が何に気付いているか、に気付いてみる。わからない、も立派な答え。それをわかるように、少しずつ手助けしていくのが施術者である僕の役目なのだと思っています。

からだはこころのいれものだから

ブログのタイトルにもしているこの言葉。「身体は心の入れ物」です。

身体を大切にしてあげること。それは自分を大切にしてあげること。フィットネスやワークアウトすることはとても素晴らしい事です。でもそれとは、また少しちがうアプローチ。

五感を大切に扱うことを少しずつ落とし込んでいくことを僕のオフィスでは行っています。だから様々な気づきが生まれてくる。五感を大切にすることで、脳を大切にする。

自分の感覚を信じることで、自分を信じられるようになる。それが自信につながる。そのすべては「いま、何を感じているか」を大切に受け取ってあげること。

だからKukuna Bodyで行っているロルフィングは「いま、ここ」を大切にする身体を通じたマインドフルネス、ということなのだと思います。こちらの本も非常に面白いです。

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森部高史

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ABOUTこの記事をかいた人

株式会社 Pono Life(ポノライフ)代表取締役 / Kukuna Body主宰。 「人生の節目に出逢うセラピスト」として多くの方の人生の転機に立ち会う。中高一貫校の英語科教員、部活動顧問を経て、アメリカの大学院に進学しアスレティックトレーナー(ATC)に。アメリカの様々な地域の大学でフルタイムスタッフとして勤務し、2012年帰国。【からだはこころのいれものだから】という考えを大切に、身体と心のバランスを大切にするボディーワーク、ロルフィングを中心に日々クライアントが自分軸で生き、自分自身の人生に彩りを添えていく為のお手伝いをしている。オフィスは麻布十番。2015年より一女の父。